持ち家vs賃貸の「本当のコスト」はこう計算する — シミュレーターの計算ロジック全公開
2026-08-19
「持ち家と賃貸、結局どっちが得なの?」
この質問への答えが人によってバラバラなのは、何をコストに含めるかがバラバラだからです。当サイトのシミュレーターは、含めるもの・含めないものをすべて開示した上で計算しています。このページはその計算ロジックの全文解説です。
基本の考え方:「売却して初めて損益が確定する」
持ち家のコストを「ローン返済額の合計」だと考えると、大きく見誤ります。家は売れば、お金がいくらか戻ってくるからです。
そこで当シミュレーターは、持ち家のコストを次のように定義しています。
持ち家の実質コスト = 支払った総額 − 売却で戻ってきた金額
支払った総額に含めるのは次の4つです。
- 頭金
- 購入諸費用(登記・仲介手数料・ローン関連費用。初期値は物件価格の7%)
- ローン返済総額(住んだ年数分の元利合計)
- 保有コスト(修繕積立金 × 月数 + 固定資産税 × 年数)
売却で戻る金額の計算
売却額がそのまま手元に残るわけではありません。ここが一番見落とされやすいポイントです。
売却手取り = 売却額 − 仲介手数料 − 譲渡所得税 − ローン残債
- 仲介手数料: 売却額 × 3% + 6万円(税込)。法定上限で計算しています
- 譲渡所得税: 売却益(売却額 −「購入価格+購入諸費用」− 売却費用)に課税。マイホームなら3,000万円特別控除が使えるため、多くのケースでゼロになります。控除を使わない設定も可能で、その場合は保有5年超で20.315%、5年以下で39.63%を適用します
- ローン残債: 住んだ年数時点の残高。元利均等返済で毎月の内訳(利息と元本)を積み上げて計算しています
売却額がローン残債を下回る「残債割れ」の場合は、売却時に自己資金での補填が必要になることも、シミュレーターは警告として表示します。
賃貸側の計算
賃貸の総支払い = 家賃(管理費込み)× 12ヶ月 × 年数 + 更新料
更新料は「2年に1回、家賃1ヶ月分」で計算しています(設定でオフにできます)。
かんたん版では、家賃を物件価格 × 0.35%/月で自動推定しています。これは表面利回り4.2%相当で、「同じグレードの物件を借りたらいくらか」の目安です。5,500万円の物件なら月19.3万円程度になります。
金利上昇シナリオ
変動金利で借りる人が多い今、「将来金利が上がったら」は無視できません。詳細版では「11年目から1.2%に上昇」のような段階的な金利変化を最大3段階まで設定できます。指定年の初月から、その時点の残債と残期間で返済額を計算し直す方式です。
このシミュレーターに含まれていないもの
正直に書きます。以下は計算に含まれていません。
- 住宅ローン控除(年末残高の0.7%が最大13年還付される制度。持ち家側に有利に働きます)
- インフレ・家賃上昇(長期では賃貸側のコストを押し上げる要因です)
- 大規模修繕・リフォーム費用(築年数が進むと発生します)
- 火災保険・地震保険
つまり実際には、持ち家に有利な要素と不利な要素の両方が省かれています。結果は「概算の出発点」として使い、最終判断は専門家に相談してください。
使ってみる
自分の条件——物件価格、頭金、金利、何年住むか、いくらで売れそうか——を入れると、答えは大きく変わります。まずは3クリックのかんたん版からどうぞ。
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